実際に通ってハイトーンボイスを手に入れた!
みなさんと同じ目線の、そんな生徒が学んだことを整理してお伝えします!
ミックスボイスなどハイトーンボイスを手に入れたくてボイストレーニングを始めた方に、まず絶対に取り組んでいただきたいことが『それまで染み付いてしまった癖を取り除く』ということです。
みんな自分の歌いたい歌を歌い、憧れのアーティストの歌い方を真似し、印象的なエフェクトを掛けようと、様々な歌い方の工夫を繰り返してきているでしょう。それが一部、残念ながら良くない癖として、身体に染み付いてしまっているひとが多くいます。
高い声を出そうとして無理に喉に力を入れてしまったり、大きい声を出すために胸や肩を強張らせてしまったり、エッジボイスを出そうとして声帯を痛めてしまったり、などなど、その癖はそれぞれ千差万別です。
ボイストレーニングの初期には、まずそうした癖を取り除くための時間が必要です。
その癖を取り除くためには、まず、どんな癖が自分に染み付いてしまっているかを見つけ出す必要があります。そして正しいやり方に矯正していく必要があります。
- 自分の悪い癖を見つける
- 正しい方法に矯正する
正しい方法で歌う練習と並行して、自分の歌い方で歌ってみる。そうすると、正しい方法だと力が入らないはずの箇所、特に喉、肩、胸などに力が入っていることに気がつくことがあります。それが見つかったら、意識して力を抜いて、正しい方法に改めていきます。
(ボイトレのスクールに通う良い点の一つは、この『自分の悪い癖』を客観的に見つけてもらう事ができる、という点が挙げられると思います。これは発声を改善していく上で、結構な近道になると思いますので、是非検討してみてください。)
この時にお勧めしたいのは、自分がずっとチャレンジしてきた歌は一旦歌うのをやめ、素直な発声をし易い、できれば今まで歌ったことのない歌を課題にすることです。
何故かというと、自分がずっとチャレンジしてきた曲は、どうしても頑張って歌うため無理をしたり良くない動きをする変な癖がついてしまっている事が多いからです。
私の個人的な経験ですが、ボイストレーニングスクールに通い始める時に『歌いたい曲』として課題に上げた『木蘭の涙』という曲は、ボイトレを始めていろいろな曲が歌えるようになってきた頃にも、どうしてもまともに歌うことが出来ませんでした。
練習しても練習しても、歌い始めから最後まで様々な癖がついてしまっていたため、ちゃんと歌えるようになったのはボイトレを始めてから2年が経った頃でした。
X japanや、official 髭男 dism、なんならLady Gagaなんかも歌えているのに、ずっと前から練習していたその曲だけは、歌い始めると完全に『染み付いた悪い癖にがんじがらめにされている状態』から抜け出すのに、本当に苦労しました。
なので繰り返しになりますが、ボイトレを始めたらいろいろな曲を練習してみてください。自分が歌いたい歌ばかりですと、多かれ少なかれ自分の好きな傾向の歌い方の癖に引っ張られる可能性があるので、できれば普段は自分が選ばないような曲、音数の少ない歌いやすい曲を選んでみるのも良いかと思います。
また、別の項目でも描いていますが、この段階でお勧めしているのは英語の曲です。
歌を歌うにあたり、特に、ミックスボイスなどを使ってハイトーンボイスで歌うにあたっては、日本語の発音はとても難度が高いです。英語のほうがはるかに歌いやすい。なので、私はセリーヌ・ディオンのMy heart will go on (タイタニックの主題歌)やLady Gagaの Hold My Hand (トップガン・マーベリックの主題歌)を練習を含め、歌ったりします。
英語の発音であれば、口も、喉も、自然に動かして発音、発声ができますので、普段から英語の歌をあまり歌っていない人ほど、普段の癖と距離が取れます。発音は難しくないの?と思われると思いますが、力を抜いてただ聞こえてくる発音を真似するだけです。意味がわからなくても大丈夫。かえってただ力を抜いて真似をするだけのほうが、余計な力みが出なくて練習になります。
さて音の高さで比べると、Lady GagaとかのほうがLisaの紅蓮華(鬼滅の刃の主題歌)等よりも高いのですが、紅蓮華の日本語による音数(言葉の多さ)を歌いきろうとすると、様々な箇所が疲弊してきます。
まずお腹(腹筋背筋横隔膜)が疲弊して十分な息が続かなくなります。ボイトレをある程度続けているので、無駄な息漏れはかなり改善しているはずなのに、それでもお腹が追いつかなくなります。
また、口や顔の筋肉が追いつかなくなってくるのと、あと、声帯を引っ張る筋肉が明らかに疲弊して追いつかなくなってきます。
こうした事に気がつける(自分の身体と対話できる)準備が整っていればよいのですが、そうした自分の身体の状態に気づけずに無理に続けようとすると、どんどん変なところに力が入ってくるようになり、変な癖の元になりかねません。
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